大王埼灯台 ~ノスタルジーを感じて~
そういえば、バルナックを相棒にしてから、あまり海の写真を撮っていない。
使い始めて1ヵ月後、別府に帰省した時に少し撮ったけど、その時は大失敗だった。
ノスタルジー 望郷の思い
横山展望台から向かったのは、大王埼灯台。
三重県の西の端っこの太平洋。
埼玉県に暮らす いまのオレには、海は身近な存在ではなくなった。
別府で育ったオレは、いつも海の景色を見ていたし、潮の香も懐かしい思い出だ。
社会人として九州から上京して以来、望郷の思いに駆られると、いつも海に向かった。
もう30年近く前になるかな。営業マン1年生のオレは伸び悩んでいた。営業活動は真面目にやっていたけど、一向に成果につながらない。そんな、かっこ悪い自分に嫌気がさしていた。もう九州に帰るか。そんな思いがよぎった時に、ちょっとサボって海に向かった。当時、山手線の外側はまだ未開発だった頃、田町駅で降りて、海まで歩いてみた。
たぶん、芝浦ふ頭だったと思う。しばし、ノスタルジーを感じようとして佇んでいた。
自分を見直す、そして心をリセットするには必要な時間だったと思う。
ただ、潮の香はしなかった。そこが、オレの知っている海とは違うなとだけ思ったのを覚えている。
ノスタルジーな世界を写すには、モノクロは最適だ。
さあ、相棒のバルナックで海を写そう。
大王埼灯台
灯台への入り口に港がある。
ここには懐かしい潮の香がする。ここはオレの知っている海と同じだ。
駐車場に停めて灯台を目指す。
たぶん、旅館などもあるのかもしれない。頑丈そうな建物が並ぶ。
砂浜もある。
灯台まで登っていく道すがら、真珠と海産物を売る商店がならんでいる。
この真珠犬は、かなり売り上げに貢献してるような気がする。
この黒猫、ぜんぜん人を怖がらない。
平然とオレの横をすれ違っていった。まるで人間みたいだった。
大王埼灯台
灯台の上からみると、かなり高い。高所が嫌いな人は無理かもしれない。
風はないけど、波は荒そうだ。岩場に釣り人がいる。怖いもの知らずだね。
このあたりも過疎化が進んでいそう。空き家、閉店した旅館の建物が多かった。
こんなところで暮らすのもいいなあ。
すぐ近くに港があるし、こんな船で、釣りして楽しむのも贅沢だなあ。
あー、夢ばかりふくらむさぁ。
ノスタルジーを感じつつ、かかしの波子ちゃんにサヨナラした。
さあ、津へ戻ろう。