カタチに残すということ
フィルムカメラで撮り始めたものの、思いのほか前に進めていない自分がいる。フィルムで撮った数は20本にも満たない。近所歩きで撮ったのが5~6本、地方出張の際に撮ったのが10数本ぐらいかな。むしろ本を読んで勉強することに時間を費やしている。まあ、焦らずゆっくりと楽しんでいくことにしよう。
トイラボさんで現像してみる
4月からはモノクロネガも使い始めた。それを機に現像はトイラボさんにお願いするようにした。
やはりデータでも映像が残るのはありがたい。毎日のようにPCで写真を振り返って見ている。仕事も趣味も振り返りが大事だなあ。そして、自分の好きな写真の傾向がわかってきた。
良い写真かどうかはわからない。ただ、自分の好きな写真がわかってきた。
オレの場合は、被写体との関係性が最も大事な要素みたいだ。楽しそうな笑顔で、時にはおどけた顔で、ピースしたり、腕を組んだりしている。そんな写真ばかりを楽しく見返しているオレがいる。風景とか、建物とか、モノとか、知らない人物など、あまり見ずにどんどん飛ばしていくことに気づく。撮り方が下手っていうこともあるが、、、
大切な1枚の写真
さて、話は変わるが、バルナックをもって実家に帰った時のこと。(埼玉に住んでいるが実家は九州なので滅多に帰れない)
実家には年老いた母が一人で住んでいる。いやプラス2匹いる。老犬と老猫もいる。この2匹はオレになついてない。というか母親以外は誰にもなついていない。オレが実家に帰るといつも2階に隠れていて、ほとんど会うことはなかった。それが、この前帰省した時に初めて2匹と触れ合うことができた。オレのような闖入者を見ても、もう驚きもせず哀願するような目でじっと見ているだけ。もう逃げることができないくらい衰えていた。
初めてのモノクロフィルムで、初めての三脚を使ってみて、母親、犬、猫の3ショットを撮ってみた。現像を確認すると、3枚とったがどれもピンボケ。露出もダメだった。
それから1か月後、姉からlineが入った。
猫が死んだ。母親は悲しくて泣きながら電話をしてきたらしい。立て続けに弟からもlineがきた。猫を葬ってきた報告だった。実家を離れているオレだけは、他の兄弟のように母親を慰めたり、手伝ったりすることができない。
何かできないか?
ピンボケの写真だけど、少しでも見栄えよくできないか?
やっぱりプロフェッショナルは頼りになる
そうだプロラボにお願いしてみよう。
一番まともそうなネガから1枚だけのプリントをラボテイクさんにお願いしてみた。
さすがはプロだ。トリミングもしてくれて、キレイに仕上げてくれた。
ピンボケのダメダメな写真でも、オレには大切な一枚。
そのプリントを写真立てに入れて実家へ送った。
母ちゃんも、犬も、長生きしてくれ。